気候変動・カーボンニュートラルへの取り組み

基本的な考え方

小糸グループは、脱炭素社会の実現に貢献すべく、2050年度のカーボンニュートラル達成(Scope1+2)を目標に、CO₂排出量の少ない工場建屋や省エネ生産設備の導入などを推進しています。更に、製品の開発・設計段階から省電力化と小型化・軽量化を推進し、製品のライフサイクルにおける排出量(Scope3)低減も図るなど、全社を挙げてCO₂排出量削減に取り組んでいます。

生産での取り組み

小糸グループでは、生産工程の省エネルギー化や生産効率の向上のため、工法改善や設備改善、設備更新(省エネ設備の導入)、非稼働時の自動電源停止化、高効率な空調機への更新等を行っています。
CO₂排出量については、2030年度までに△50%(2015年度比)、2050年度にはカーボンニュートラルの達成の目標を掲げ、活動を推進しています。

自社の事業活動における排出量(Scope1+2)の推移

項目 単位 2015年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
Scope1+2 千t-CO₂ 542.9 402.2 425.2 408.6 326.7

GHGプロトコルに基づき算定。

サプライチェーンでの取り組み

小糸グループでは、原材料調達から製品の使用・廃棄に至るまで、サプライチェーン全体でCO₂削減活動を推進するため、取引先との連携強化、製品の省電力化・軽量化などCO₂排出量の削減に向けた活動に取り組んでいます。
サプライチェーンCO₂排出量削減を推進するため、Scope3の内、カテゴリ1(購入した製品・サービス)+カテゴリ11(販売した製品の使用)の2つのカテゴリについては2030年度までに△30 %(2018年度比)の目標を掲げています。

サプライチェーン排出量(Scope3)の推移

カテゴリ 単位 実 績 目 標
2018年度 2021年度 2022年度 2023年度 摘要 2030年度
1 購入した製品・サービス 千t-CO₂ 2,538 2,303 2,556 2,825   2018年度比
▲30%
(カテゴリ 1, 11)
2 資本財 200 123 157 158  
3 Scope1・2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 66 43 36 37  
4 輸送・配送(上流) 24 21 22 24  
5 事業から出る廃棄物 6 5 6 6  
6 出張 5 3 3 3  
7 雇用者の通勤 15 15 15 15  
8 リース資産(上流) - - - - Scope1・2に計上
9 輸送・配送(下流) - - - - カテゴリ4に計上
10 販売した製品の加工 - - - - 該当無し
11 販売した製品の使用 1,572 1,026 1,055 1,047  
12 販売した製品の廃棄 22 17 18 19  
13 リース資産(下流) - - - - 該当無し
14 フランチャイズ - - - - 該当無し
15 投資 - - - - 該当無し
Scope3合計 4,448 3,555 3,868 4,135  

製品での取り組み(LEDヘッドランプ)

小糸は、ランプの省電力化により自動車の燃費向上とCO₂排出量削減に貢献するため、他社に先駆けランプ光源のLED化に取り組んできました。LEDヘッドランプは従来型に比べ約70%の省電力となり、バッテリーの負荷低減に貢献しています。
現在は大型車から小型車、軽自動車や二輪車など様々な車両へ採用が拡大しており、2023年度に小糸グループで生産したヘッドランプのうち、LEDヘッドランプの採用率は約80%となっており、現在主流のヘッドランプとなっています。
今後も、より一層の性能向上や小型化・軽量化などを推進し、車両のCO₂排出量削減に取り組んで参ります。

LEDヘッドランプのCO₂削減貢献量

小糸グループは、LEDヘッドランプの提供を通じて、燃費向上とCO₂排出量低減に貢献しています。
小糸グループ全体のCO₂削減貢献量について、LEDヘッドランプを搭載した車両と、従来のヘッドランプ使用時のCO₂排出量を比較して算定しています。
LEDヘッドランプの普及拡大や光源進化などにより、貢献量は年々増加しています。 

単位 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
千t 218.3 287.0 373.8 465.5 558.1

CO₂削減貢献量の算定は、EU 「Technical Guidelines for the preparation of applications for the approval of innovative technologies pursuant to Regulation (EC) No 443/2009 and Regulation (EU) No 510/2011」やJAPIA「LCI算出ガイドライン付則2(使用段階環境負荷算出用データ表) 第2版」を参考として、当社で作成した算定方法に基づいて実施しています。
算定方法:省電力効果(W)/1.000xガソリン・電力変換効率(ℓ/kWh)/オルタネータ効率x燃料のCO₂排出係数(tCO₂/ℓ)xクルマの年間走行時間(h)xヘッドランプの使用時間割合x当社グループLEDヘッドランプ搭載車両台数
ハロゲンヘッドランプとLEDヘッドランプ使用時の消費電力量の差

LEDリアコンビネーションランプ

リアコンビネーションランプには従来より白熱電球が使われていましたが、LED化によりランプの小型化・省電力化・長寿命化を実現。
自動車の燃費向上、CO₂排出量削減に貢献することから、LEDリアコンビネーションランプもLEDヘッドランプと同様、様々な車両に採用が拡大しています。 

ヘッドランプ構成部品の小型・軽量化

小糸は、開発・設計・生産・調達など各部門が一体となり、部品点数削減、樹脂化等による製品の小型・軽量化に取り組み、自動車の燃費向上に貢献しています。 

物流での取り組み

小糸の物流は、トラック輸送が中心となっています。
この中で関係会社のコイト運輸は、2004年2月グリーン経営認証を取得、小糸製作所と連携し輸送事業の環境貢献型経営を目指し、輸送時のエネルギー低減、CO₂削減、及び物流過程で排出する廃棄物低減を重点に環境負荷低減に努めています。
2021年度の小糸製作所の物流全体におけるCO₂排出量は、12.3千t、エネルギー原単位は、1.57kℓ/億円となりました。

エネルギー原単位(kℓ/億円):売上高(億円)あたりの物流エネルギー使用量(原油換算kℓ)

コイト運輸では、順次4軸トラックへの更新と長距離便を中心とした配車を進めており、更にスタッドレスタイヤを導入するなど、安全性の向上にも
努めています。こうした環境・安全への取り組みが評価され、これまで「環境大臣表彰」、「国土交通大臣表彰」等、数々の賞を受賞しています。
今後も、更なるエコドライブを追求するとともに、安全・安心運行とCO₂排出量の低減に努めてまいります。 

物流CO₂排出量・エネルギー原単位

項目 単位 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度

物流CO₂

排出量

千t-CO₂ 13.4 13.9 14.0 12.8 12.3 12.3

エネルギー

原単位

Kℓ/億円 1.48 1.44 1.48 1.54 1.57 1.56

エネルギー原単位(kℓ/億円):売上高(俺円)あたりの物流エネルギー使用量(原油換算kℓ)