環境マネジメント
小糸グループは、企業活動の基本方針である「小糸グループ行動憲章」において、「『人と地球にやさしいものづくり』をテーマに、事業活動を通じた地球環境保全に主体的に取り組む」ことを定めています。
これに基づき、小糸では環境活動の枠組みを示す「環境方針」を設定し、開発・設計・生産・調達・物流等の全部門を対象とする環境マネジメントを展開しています。
また、国内外の関係会社においても「環境方針」を設定するとともに、環境マネジメントシステムを構築し、小糸グループ一体となった環境保全活動を推進しています。
小糸製作所は、自動車照明器を軸としたすべての事業活動において、「人と地球にやさしいものづくり」を追求した環境保全活動を推進していくことを基本とする。
環境保全の目標・方策を明確にし、小糸グループ全体活動として、環境成果向上のため継続的改善に取り組みます
環境法規制等を遵守するとともに、環境課題を先取りした改善計画の策定と推進に取り組みます
製品ライフサイクルにおいて環境に配慮した新技術・新商品の開発と定着に取り組みます
ものづくりにおける環境負荷、資源・エネルギーの使用を最小化し、環境問題の未然防止及び環境保護活動を推進します
環境目標を達成する積極的な人づくりを推進します
2017年4月 改訂
小糸では、代表取締役を委員長とする「安全環境委員会」を毎月開催し、グループ全体の環境に関する取り組みの統括、重要な環境課題や環境代表法令に基づく環境保全施策の協議・決定等を行っています。
具体的な活動は、「エネルギー・CO₂削減部会」、「環境負荷物質低減ワーキンググループ」、「リサイクル推進ワーキンググループ」など環境課題ごとに設置した各部会・ワーキンググループが推進しています。
これらの取り組みについては安全環境委員会に報告され、進捗フォローや対策の協議等を行っています。
小糸グループでは、グループ全体の環境マネジメントシステムの構築に積極的に取り組み、生産拠点を主体にISO14001等の環境認証の取得を推進しています。2023年3月末時点対象25社の内、小糸製作所を含む国内12社、海外12社の計24社が環境認証を取得しています。
また、主要仕入先に対しても、ISO14001やエコアクション21などの認証取得を推奨し、サプライチェーン全体を通した環境マネジメント強化、環境保全を図っています。
拠点名 | 初回登録年月 | 最終更新 |
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静岡工場 | 2000年1月 | 2021年1月 |
小糸パーツセンター | ||
榛原工場 | 2000年7月 | |
相良工場 | ||
富士川工機工場 | 2003年1月 |
環境マネジメントの適用範囲:
上記5拠点を対象拠点とし、小糸製作所の自動車照明器、航空機部品等の研究・開発・設計・生産・物流等に関連する事業活動及び製品ライフサイクルの視点から生じる環境への影響に関して適用
国内関係会社 | ||
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ISO14001 | 小糸九州株式会社 | アオイテック株式会社 |
静岡電装株式会社 | 日星工業株式会社 | |
藤枝オートライティング株式会社 | 静岡ワイヤーハーネス株式会社 | |
コイト電工株式会社 | ||
エコアクション21 | 榛原工機株式会社 | 静岡金型株式会社 |
竹田サンテック株式会社 | ||
グリーン経営認証 | コイト運輸株式会社 |
海外関係会社 | ||
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ISO14001 | ノース・アメリカン・ライティング・インク(米国) | ノース・アメリカン・ライティング・メキシコ(メキシコ) |
エヌ・エー・エル・ド・ブラジル・インドゥストリア・イ・コメルシオ・デ・コンポーネンテス・ジ・イルミナサンオ・リミターダ(ブラジル) | コイト・ヨーロッパ・リミテッド(英国) | |
コイト・チェコ s.r.o.(チェコ) | 広州小糸車灯有限公司(中国) | |
湖北小糸車灯有限公司(中国) | 福州小糸大億車灯有限公司(中国) | |
タイ・コイト・カンパニー・リミテッド(タイ) | PT. インドネシア・コイト(インドネシア) | |
大億交通工業製造股份有限公司(台湾) | インディア・ジャパン・ライティング・プライベート・リミテッド(インド) |
小糸グループでは、「人と地球にやさしいものづくり」を実践し、取り組みを効果的に実施していくために、各種指標について定量的な中期目標と1年毎の短期目標を設定し、安全環境委員会等で環境保全活動の進捗管理、目標達成度合いの評価を行っています。
環境目的 | 2022年度 重点取り組みと結果 | 2022年度以降の主な取り組み | |||
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重点事項 | 目標 | 2022年度結果 | |||
気候変動対応 | 低炭素社会への貢献 | 生産における CO₂低減 |
CO₂排出量 2013年度比△28% |
2013年度比△35% (同 :48.3千t-CO₂) |
①生産におけるエネルギー・CO₂削減 ・2030年度CO₂排出量:2013年度比△50% ・2050年度カーボンニュートラル達成 ②物流におけるエネルギー・CO₂削減 ・エネルギー原単位 △1%/年 ③製品ライフサイクルにおける環境負荷低減 |
物流における CO₂低減 |
エネルギー原単位 年△1% |
2021年度比△1% | |||
資源 ・水循環 |
循環型社会構築 | 排出物量の低減 | 廃棄物原単位 2018年度比△4% ※プラスティック資源循環促進法への対応として、プラスティック産業廃棄物の目標を設定 原単位 2018年度比△4% 再資源化率 85%以上維持 |
2018年度比△19% | ①循環型社会構築 ・生産における排出物低減・資源有効活用 2025年度廃棄物原単位:2018年度比△7% ※プラスティック産業廃棄物排出抑制・再資源化 2025年度原単位:2018年度比△7% 2025年度再資源率:85%以上維持 ②水インパクト(影響)最小化 ・水使用量低減 2025年度水使用量原単位:2018年度比△7% ・排水水質管理の向上 |
2018年度比△14% 90%以上 |
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水使用量低減 | 水使用量原単位 2018年度比△4% |
2018年度比△9% | |||
化学物質の管理 ・低減 |
環境負荷 物質の低減 |
VOC排出量低減 | VOC排出量 2018年度実績(299t)以下 2022年度目標 220t以下 |
173t(2018年度比△42%) | ①生産における環境負荷物質の低減 ・VOC排出量:2018年度(299t)以下維持 (毎年度低減目標設定) ②製品環境負荷物質の管理徹底 |
環境経営の充実 | グループ 環境活動の強化 |
連結環境管理の 強化推進 |
環境リスク管理の強化、 環境コンプライアンス徹底 |
潜在的リスクの把握と対策強化(ヒヤリの摘出・対応) | ①グループ環境マネジメントの強化 ・連結マネジメントの強化推進 ・ビジネスパートナー(サプライヤー)と 連携した環境活動推進 ・環境情報の積極的開示と コミュニケーション充実 ・環境教育強化 ②自然共生社会の構築 ・生物多様性・自然保全活動の推進 |
仕入先と連携した 環境活動推進 |
自主的環境活動促進、 環境パフォーマンスの向上 |
情報展開と現地点検実施による管理状況確認・改善推進 | |||
環境情報開示、 コミュニケーション充実 |
グローバルな環境情報提供 、地域との相互理解促進 |
グループ情報を含む 情報開示実施、 地域懇談会開催 |
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環境教育の強化 | コンプライアンス推進、 社員教育・啓発活動強化 |
管理・監督者/新入社員教育の見直し、外来作業者教育実施 | |||
自然共生社会の構築 | 生物多様性、 自然保護活動の推進 |
事業所・地域毎活動推進、 生物多様性保全推進 |
地域団体との協業・活動参加、温暖化防止・資源有効利用等の活動強化 |
小糸の事業活動におけるエネルギー及び資源の投入量(インプット)と、温室効果ガス(GHG)やVOC(揮発性有機化合物)など環境負荷物質の排出量(アウトプット)は以下の通りです。
小糸では、事業活動におけるマテリアルバランスの把握により、環境負荷低減の取り組み状況を確認・評価するとともに、将来的な施策の策定に活用しています。
※PRTR法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
小糸では、環境マネジメントシステムの運用状況を確認するために、「外部環境審査」と「内部環境監査」をそれぞれ年1回実施しています。監査及び審査で指摘のあった事項については、改善案を作成・実施することで、適切なマネジメントシステムの維持・運用に努めています。
外部審査登録機関の審査により、環境マネジメントシステムがISO14001に基づき、適切に構築・運用されていることを確認しています。
内部環境監査の独立性を確保するために、被監査部署以外の内部監査員で構成される監査チームを組織し、ISO14001に基づく監査を実施しています。また、内部監査員による自職場監査を実施し、継続的な改善と環境意識の向上に努めています。
小糸では、環境方針に掲げる「環境目標を達成する積極的な人づくり」を推進し、従業員一人ひとりが環境に対する理解を深めるために教育体系を整備し、定期的な環境教育を実施しています。
新入社員・管理監督者などを対象とした職階別教育に加え、内部監査員教育や公的資格取得推進教育などの専門教育も実施しています。また、毎年6~7月を「小糸環境月間」と設定し、地域清掃活動への参加や環境点検の重点実施などを展開するなど、従業員一人ひとりの意識向上に努めています。
外注業者等、構内での作業者に対しても汚染や流出防止の教育を行い、意識向上と環境事故防止に取り組んでいます。
構内作業時の安全・環境教育 (2019年)
環境内部監査員教育 (2019年)
調達方針説明会(2019年)
小糸では、製品のライフサイクルにおける総合的な視点により、材料・部品・設備のグリーン調達など環境負荷低減施策を推進し、地球環境や地域社会との共存に努めています。
持続可能な社会の実現を目指し、仕入先に対して調達方針説明会を年1回、情報連絡会議を月1回開催、ISO14001やエコアクション21など環境認証取得の推奨、環境関連法令や環境負荷物質規制の遵守を要請し、サプライチェーンマネジメントの強化に努めています。
2021年度は、調達方針説明会を2021年5月17日に開催し、204社の仕入先が参加しました。
小糸では、大気汚染防止や水質汚濁防止、土壌汚染対策等の環境法令を遵守し、環境リスクを最小化するため、発生源の特定、定期的な測定による異常の早期発見、緊急時の対応策立案といったリスク管理を徹底しています。
これらのリスク管理活動により大気、水質、騒音、土壌・地下水が法規制/基準の範囲内であることを確認しています。2021年度、小糸グループにおいて環境関連の法令違反や罰金などはありませんでした。
今後も環境に関する法令・規制を遵守し、グループ一体となって環境リスクマネジメントに取り組んでいきます。